物忘れ 認知症  ☆内科 在宅医療☆ | 福岡の在宅医療クリニック ホームドクターズ|訪問診療・総合内科・糖尿病内科・消化器内科

ブログ

物忘れ 認知症  ☆内科 在宅医療☆

記憶力は、20歳代をピークに徐々に低下していきます。60代になると、記憶力だけでなく、判断力や適応力も衰え始めます。どこに物を置いたか、人の名前を思い出せない、何をしようとしたか忘れてしまったりする物忘れは、年齢に関係なく起こります。しかし、普段忘れるはずのない家までの道のりや家族の名前、大事な事を忘れてしまったり、繰り返し同じ内容を質問するなど重症な物忘れは、認知症かもしれません。

重症の物忘れは、認知症や脳腫瘍、慢性硬膜下血腫など脳疾患やそれ以外にも甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症などが物忘れの原因になります。

アルツハイマー型認知症
認知症で最多です。女性に多いです。側頭葉や頭頂葉を中心に脳細胞が萎縮し、思考や記憶、言語に関わる部分が障害される疾患です。新しいことが覚えられない、同じことを何度も聞き直す、年月日の感覚が不確かになり、夕食の準備や買い物に失敗するようになります。意欲も低下し、近所で迷子になったり、物をしまった体験を忘れ、物とられ妄想が始まります。さらに進行すると、家族の顔が思い出せなくなり、尿失禁や便失禁を起こすようになり、寝たきりになっていきます。

脳血管性認知症
日本では老年期認知症の20~30%に起こります。脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって、脳細胞に傷ができることで生じる認知症です。小血管病変型(ラクナ梗塞)が多いです。症状は、脳血管障害の発作を起こすことで急激に発症したり、新しい梗塞が起こるたびに段階的悪化を示します。高血圧など生活習慣病の管理が最も重要とされています。

慢性硬膜下血腫
頭部打撲などが外傷が原因で、脳の膜と脳の間に徐々に血液が溜まります。大きな血種ができた場合、それが脳を圧迫して、頭痛、記憶力の低下、重症の場合は手足の麻痺や意識障害などの症状を引き起こします。高齢者やアルコール多飲などがリスクになります。手術で血腫を取り除くと元の状態に戻ります。

脳腫瘍
脳や他の部位からの転移など頭蓋内にできる腫瘍によって、脳細胞と神経を圧迫し、脳に障害をもたらします。症状は頭痛、気分不良、嘔吐です。頭痛は早朝に痛みを強く感じ、腫瘍の増大により痛みがどんどん強くなります。さらに腫瘍の場所によって、物忘れ、手足の麻痺やけいれんなど、さまざまな症状があらわれます。

水頭症
脳は髄液という液体の中に浮かんでいます。髄液は人間の体の中を調節されながら還流していますが、脳腫瘍や頭蓋内出血などが原因となって髄液の還流が阻害され、髄液が貯留することで脳圧が上昇、脳室がふくらみ、水頭症を起こします。歩行障害(左右の足の幅が広く、小刻みで不安定)や記憶障害、意欲の低下、尿失禁などがあらわれます。

うつ病
高齢者は社会的、経済的喪失感や人間関係の喪失、健康の喪失などの体験により抑うつ気分が増大しやすいといわれています。全身倦怠感や食欲低下、睡眠不足、集中力の低下、認知機能が低下して物忘れが多くなります。偽性認知症(うつ病性仮性認知症)とも言います。抑うつ症状が認知症に先行してみられ、悲哀、心配が強く、イライラしていることが多いとされます。しばしば記憶障害のみに限られ、一貫性をかきます。

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの低下が起こります。進行すると元気がなくなったり、体のむくみ、便秘、食欲不振などたくさんの症状があらわれます。甲状腺機能低下は脳細胞の働きにも重要で、物忘れ、集中力や思考力の低下などがみられることもあります。

ビタミン欠乏症
偏った食生活、アルコールのとりすぎによって不足することがあります。ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸などが不足すると、記憶力の低下や錯乱、せん妄などの症状があらわれます。普通に生活してバランスのいい食事を接種されていれば普通は不足することはありません。

在宅医療の現場でも認知症により生活困難になってくる場面によく遭遇します。食事が作れなくなった、インスリンや内服薬の飲み忘れ、施設での徘徊、転倒、睡眠障害、物とられ妄想など日常生活に多大に影響を与えています。介護するご家族の負担にも直接つながってきていることもあります。訪問診療を行いながら、ご家族の負担にも目を向け、問診を丁寧に行うことが重要だと思います。認知症は、早期発見することができれば、現在は薬が何種類も出ており進行を遅らせることができます。進行を遅らせることで、快適な住み慣れた家や施設で、長く過ごすことができるでしょう。

もし物忘れの症状で気になることがあればご相談ください。