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高血圧の患者さんの降圧目標は?  ☆内科、在宅医療☆

年齢や高血圧自体、糖尿病やコレステロールなど様々なリスクにより血管の老化(動脈硬化)がすすみ、血圧は少しづつ上がっていきます。高血圧の治療は、脳梗塞や脳出血などの脳卒中、心筋梗塞や心不全などの心臓病、大動脈解離や大動脈瘤などの大血管病や腎臓病など多くの大病を防ぐため血圧をコントロールする必要があります。血圧とは、血管の中の血流の圧力のことです。心臓が収縮して血流が強く流れていくときの圧が最高血圧です。一方で、心臓が拡張し血流が緩やかになり、圧力が下がり、一番低い圧が最低血圧です。最高血圧を収縮期血圧、最低血圧を拡張期血圧ともいいます。血圧のコントロール目標は年齢や基礎疾患によって違います。75歳未満の方であれば、病院で測る血圧が130/80未満とされています。また、脳血管障害、心筋梗塞後、慢性腎臓病で蛋白尿がでている患者さん、糖尿病の患者さんは130/80未満となっています。一方で、75歳以上の患者さんは140/90未満となっています。いづれも自宅で血圧を測る際は病院より下がることが多いので、収縮期血圧、拡張期血圧ともに5mmHg少ない値になります。

高血圧の患者さんは約4000万人いるとされています。お薬での治療の前にまずは食事や運動など日常の生活習慣を見直しましょう。食事は塩分制限が大事です。日本人は漬物はみそ汁など塩分の多い食事が多く、減塩醤油やお酢やレモンで味付けするなど普段からの心がけが大事です。加工食品も塩分が多いので控えてください。入院すると塩分制限食にされていることも多いと思います。実は入院中、主治医の指示のもと、塩分を6g程度に制限されていることが多いです。普段皆さんが摂取している量の半分になります。入院期間の食生活でも血圧は改善することもあります。カリウムを沢山含む野菜や果物をしっかり摂取してください。カリウムは血圧を下げる作用があります。食事は腹八分にしていただいて、体重を減らすのも大切です。体重が減ることで血圧も下がります。飲酒も減らしたほうがいいです。

高血圧は重大な病気につながります。自覚症状はあまりありませんが、確実に動脈硬化を進行させ、少しづつ体を老化させていきます。夜間、救急部で働いている際に思ったのは、未治療の方やコントロール不良の方が、脳卒中や心筋梗塞を発症され救急車で運ばれてくる場合が非常に多いと思います。病気になってしまうと、脳卒中では片麻痺が出現したり、心筋梗塞で心筋が壊死し、心臓の動きが悪くなり、体のむくみや呼吸苦で動けないなど、その後の生活が大きく制限されるでしょう。入院中に、血圧、糖尿病、コレステロールなどの治療を万全に行い退院となるのですが、できればそうなる前に治療介入しておくことが大切です。幸せな老後を迎えられるよう日頃から早期発見、早期治療を心がけてください。

訪問診療でご自宅をお伺いさせていただくと、時々残薬を多く目にします。在宅環境が施設の場合、施設スタッフが薬の管理をされていますが、ご自宅ではなかなか薬を毎日飲むのが大変なようです。飲み忘れもあると思いますが、1日3,4回の内服回数を守るのは誰にとっても大変なこととお察しします。まして、食後だけではなく、食前や食間の薬、起床時の薬など飲む時間のバリエーションも多くあり、覚えておくだけでも大変です。当院では、訪問した際の経験も踏まえ、服用困難な患者様にはできるだけ、服用回数を減らし、内服する薬も重要度別にわけ、できるだけ内服コンプライアンスを保てるよう意識して処方しています。また訪問薬剤師とも連携させていただき、薬剤の丁寧な説明や一包化、薬剤カレンダーの使用をお勧めさせていただきます。