だいぶ涼しくなってきましたね。9月ももう終わります。時が経つのは早いですね。
訪問診療をしていると、ご本人やご家族から「夜中に何度もトイレに起きるんです」という相談をよく受けます。
高齢になると夜間にトイレへ行く回数が増えることは珍しくありません。しかし、年齢のせいだから仕方がないと思われている方も多く、詳しく話を聞いてみると、生活習慣や病気、薬などいくつかの原因が重なっていることがあります。
夜間に排尿のため1回以上起きなければならない状態を夜間頻尿といいます。夜間頻尿の原因は一つではありません。
例えば、年齢とともに膀胱にためられる尿の量が少なくなることがあります。また、男性では前立腺肥大症、女性では過活動膀胱などが関係していることもあります。
一方で、膀胱だけが原因とは限りません。
糖尿病や心不全、睡眠時無呼吸症候群などが夜間頻尿に関係することもあります。利尿薬など普段飲んでいる薬の種類や服用する時間が影響していることもあるため、薬の確認も重要です。
夜間頻尿で私たちがもう一つ気をつけているのが転倒です。
夜中に目が覚め、暗い部屋の中を急いでトイレへ向かうと、昼間よりも転倒しやすくなります。高齢の方では転倒から骨折し、それをきっかけに歩けなくなってしまうことがあります。
そのため、夜間頻尿は単に「トイレが近くて困る」という問題だけではありません。
寝室からトイレまでの動線を確認したり、足元灯を設置したり、必要に応じてポータブルトイレを利用したりすることも大切です。在宅医療では薬を処方するだけではなく、その方が実際に生活している環境を見ることができるため、こうした対策も一緒に考えることができます。
ご家族から「夜にトイレへ行くので、水分を減らした方がいいですか」と聞かれることもあります。
しかし、高齢の方では水分を極端に減らすと脱水につながることがあります。特に暑い時期や発熱、食事量が低下している時には注意が必要です。
水分をどの程度とるべきかは、心臓や腎臓の状態、服用している薬などによっても異なります。そのため、自己判断で大きく水分量を減らすより、主治医に相談していただく方が安心です。
夜間頻尿がある場合には、何時に寝て、何時ごろトイレに行き、どの程度の尿が出ているのかを確認すると原因を考える手がかりになります。可能であれば数日間記録しておくと、診察の際にも役立ちます。
在宅医療では、血圧や血液検査の数字だけを診ているわけではありません。
夜眠れているか。トイレまで安全に歩けているか。食事ができているか。ご家族が夜間の介助で疲れていないか。
こうした日常生活の一つ一つも診療の大切な部分だと考えています。
夜間に何度もトイレへ行くようになった場合も、年齢のせいと決めつけず、一度原因を整理してみることが大切です。
訪問診療だからこそ分かる生活上の問題もあります。夜間頻尿を含め、日々の生活で困っていることがあれば、診察の際に遠慮なく相談していただければと思います。
福岡の広範囲で訪問診療をしています。なにかご不明な点などございましたらいつでも気軽にご相談ください。
宜しくお願い致します。