「ここまでできる在宅医療」
― 病院に行かなくても、ここまで診られる。ここまで支えられる。―
「この状態なら、もう病院に行くしかないでしょうか?」
在宅医療の現場で、ケアマネジャーさんや訪問看護師さんから、このようなご相談をいただくことがあります。
発熱が続いている。食事がとれない。点滴が必要かもしれない。呼吸が苦しそう。夜になると不穏になる。褥瘡が悪化している。がんの痛みが強くなってきた。最期まで自宅や施設で過ごしたいと言われている。
そんなとき、「在宅ではどこまで対応できるのだろう?」と悩むことはないでしょうか。
今回の講演会のテーマは、**「ここまでできる在宅医療」**です。
在宅医療は、単に「通院できない方を自宅で診察する医療」ではありません。
血液検査や点滴、酸素療法、褥瘡処置、尿道カテーテル管理、胃ろう管理などの日常的な医療処置から、肺炎や尿路感染症などの急性期対応、がん患者さんの疼痛・呼吸苦のコントロール、そして看取りまで、患者さんの状態や医療体制によっては、さまざまな医療を自宅や施設で行うことができます。
一方で、もちろん在宅医療ですべてを完結できるわけではありません。
「どこまで在宅で診ることができるのか」
「どのタイミングで病院へ紹介するべきなのか」
「訪問診療へ相談するタイミングはいつなのか」
この判断を医師だけではなく、患者さんを支えるケアマネジャー、訪問看護師、介護職、施設職員など多職種で共有しておくことが、とても重要だと考えています。
今回の講演では、実際の在宅医療の現場をイメージしていただきながら、
発熱したとき、在宅でどこまで対応できるのか。
食事がとれなくなったとき、点滴をするべきなのか。
夜間に急に状態が悪くなったとき、救急車を呼ぶべきなのか。
認知症の方が夜間に不穏になったとき、どのように対応するのか。
がん末期の患者さんに強い痛みや呼吸苦が出たとき、在宅でどのような治療ができるのか。
最期まで自宅や施設で過ごしたいと言われたとき、どのような準備が必要なのか。
といった、日頃の現場で遭遇しやすい場面を取り上げます。
特にお伝えしたいのは、**「病院に行くか、在宅で診るか」という二択ではない**ということです。
早い段階で医師、訪問看護師、ケアマネジャーなどが情報を共有することで、状態が大きく悪化する前に治療を始められたり、不要な救急搬送を避けられたり、ご本人やご家族が希望する場所で療養を続けられる可能性があります。
そして在宅医療で最も重要なのは、医療処置の種類だけではありません。
「本人はどうしたいのか」
「家族は何を心配しているのか」
「介護する側に無理が生じていないか」
「もし夜間に状態が変わったら、誰に連絡するのか」
こうしたことを事前に整理しておくことも、在宅医療の大切な役割です。
医療と介護の連携がうまくいけば、「急変してから考える」のではなく、**「急変する前から準備する」在宅医療**へ変えていくことができます。
今回の講演では、医学的な専門知識を一方的にお話しするのではなく、ケアマネジャーさん、訪問看護師さん、介護職の皆さんが、**明日から現場で使える内容**を中心にお話しする予定です。
「こんな患者さんは訪問診療に相談していいの?」
「この症状なら、まず誰に連絡したらいい?」
「施設でも看取りはできる?」
「家族から救急搬送を希望されたらどう考える?」
「訪問診療の先生には、どの段階で相談すればいい?」
普段はなかなか医師に聞きにくいことも含め、できるだけ具体的にお話しします。
在宅医療を利用している患者さんだけではなく、現在はまだ通院されている患者さんを担当されている方にも、ぜひ知っていただきたい内容です。
「通院が少し大変になってきた」
「最近、救急搬送が増えてきた」
「家族の介護負担が大きくなっている」
「本人は自宅で過ごしたいと言っている」
こうした小さな変化が、在宅医療を検討するタイミングになることもあります。
在宅医療について知っているだけで、患者さんやご家族に提示できる選択肢は大きく広がります。
病院でなければできないと思っていたことが、実は在宅でもできるかもしれない。
救急搬送しかないと思っていた場面に、別の選択肢があるかもしれない。
最期まで自宅や施設で過ごすことも、準備をすれば可能かもしれない。
そんな「在宅医療の可能性」を、実際の現場のお話を交えながらお伝えします。
ケアマネジャーさん、訪問看護師さん、介護職、施設職員の皆さんにとって、患者さんやご家族への提案の幅を少しでも広げられる時間になればと思っています。
10月16日
筑紫野市 生涯学習センター 15時開催
福岡県筑紫野市二日市南1-9-3
電話番号 092-918-3535
その後懇親会も予定しています。
ぜひお気軽にご参加ください。