皆様こんにちは。ホームドクターズです。
来月の六月、福岡南市民センターで、在宅医療におけるワンポイントアドバイスという内容で講演会をする予定です。喜ばしいことに定員いっぱいになってしまったのですが、また講演会を企画する時にはぜひお越しください。
在宅医療や訪問診療を行っていると、「最近もの忘れが増えてきた」「以前と比べて様子が変わった」という相談を受けることがあります。高齢化が進む中で、認知症は特別な病気ではなく、多くの方に関わる身近なテーマになっています。
認知症という言葉を聞くと、「何も分からなくなってしまうのでは」と不安を感じるご家族も少なくありません。しかし実際には、症状の出方や進み方には個人差があり、早い段階で周囲が気づき、生活環境を整えていくことで、安心して自宅療養を続けられる方も多くいます。
認知症の初期では、同じことを何度も聞く、薬を飲んだことを忘れる、予定を忘れるといった変化がみられることがあります。また、以前より怒りっぽくなったり、不安が強くなったりする場合もあります。
ご家族は「しっかりしてほしい」と思うあまり、つい注意を繰り返してしまうことがあります。しかし、本人にとっては「できないこと」が増えていく不安や戸惑いが背景にあることも少なくありません。大事なことは本人をきつく責めたりしないことです。ユマニチュードという考えた方があります。相手を大事に思っているんだよということを伝えるための手段として、本人の同意の上で4つの柱:「見る」「話す」「触れる」「立つ」で関係性を築きながら優しいケアを実践していきます。まさに認知症の患者さんは不安です。孤独です。この姿勢が大事であると思います。
在宅医療では、認知症そのものだけでなく、「どう生活を支えるか」を大切にしています。例えば、薬の管理が難しくなってきた場合には、薬局と連携して一包化や訪問看護との連携をして、薬がちゃんと飲めているかを確認を行ったり、生活リズムが乱れてきた場合には日中活動量を調整したりすることがあります。最近は服薬ロボなんて可愛い機器も登場しております。
また、認知症の方は環境変化に影響を受けやすいため、できるだけ慣れた自宅で生活を続けることが安心につながる場合があります。実際に、入院をきっかけに混乱が強くなるケースも少なくありません。そのため、在宅医療や訪問診療では、「住み慣れた環境で過ごすこと」を大切にしながら支援を行っています。
認知症が進行すると、食事や排泄、歩行など日常生活への支援が必要になることがあります。しかし、ご家族だけで抱え込む必要はありません。訪問看護、ケアマネジャー、デイサービス、ヘルパーなど、多くの職種が連携しながら支えることができます。
実際に、訪問診療を受けている患者さんでも、「家では難しいと思っていたけれど、周囲の支援で自宅生活を続けられている」というケースは多くあります。介護負担を減らしながら、本人らしい生活を続けるためには、早めに相談することが大切です。
また、認知症の症状と思われていたものが、脱水や感染症、薬の影響など別の原因による場合もあります。そのため、「急に様子がおかしい」と感じた場合には、早めに医療へ相談することが重要です。実際に、認知機能を低下させる病気はたくさんあります。私も、よく診察すると軽度の片麻痺あり、慢性硬膜下血腫であったことや、甲状腺機能低下症であったこと、低Na血症であったことなど実際に多く経験しました。これらの病気であれば治すことがでいます。まずは医療機関へご相談ください。
在宅医療や訪問診療では、病気だけではなく、生活やご家族の不安も含めて支えていきます。認知症があっても、その方らしい生活を続けられるよう、一緒に環境を整えていくことが大切です。
福岡市内,春日市,大野城市,筑紫野市,那珂川市,太宰府市,小郡市,朝倉市,筑前町,基山町,鳥栖市など福岡の広範囲で訪問診療をしております。
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