「在宅医療の現状と課題」を講演会で発表しました ★在宅医療★ | 福岡の在宅医療・訪問診療「クリニック・ホームドクターズ」総合内科・糖尿病内科・消化器内科

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「在宅医療の現状と課題」を講演会で発表しました ★在宅医療★

まず、今後、すすんでいく高齢化の問題とともに、最後をどのように過ごすかという点についてみていきたいとおもいます。かつて日本では、自宅で亡くなるのが当たり前でした。1950年頃は、青色の自宅死が8割、赤色の病院死は1割に過ぎませんでした。以降、自宅死がどんどん減り、赤の病院死の増加となっています。遂に2005年には病院死が8割に達しています。現在は病院死、病室で亡くなる方が一般的になっています。各国の死亡の場所をみても、スウェーデン、オランダ、フランスなど諸外国は自宅死が多い傾向で、世界でも日本は、病院死が圧倒的に多い国として突出していると思います。

高齢化社会は多死社会でもあります。年々死亡数は増加していきます、2030年には、年間死亡者は今より30万人以上も多い165万人になります。死亡場所別に見ると、2030年時点で一番多いのが「病院」で、人数は90万人、「自宅」は20万人です。そして残る緑色の部分の47万人が一般に「看取り難民」と呼ばれ、終末期のケアを受けられない人々です。この看取り難民47万人は、全死亡者数の30%に当たり、急速に増えていきます。受け皿をどうするかが深刻な問題になっています。

しかし、患者さんの思いは別にあります。患者さんに対し、「最期を迎えたい場所について」の質問です。「自宅」と答えた人の割合が54.6%で最も多く、病院などの医療施設が27.7%、特別養護老人ホームなど施設は4.5%になっています。治る見込みがなくなった場合、最期は自宅で過ごしたいと思われる方が半分以上もいるのです。

そこで期待されているが、自宅や介護施設でみとる「在宅医療」の充実です。

在宅医療を望みますかという問いに関する質問では、在宅医療を継続し必要な時入院が48%、在宅で療養したいが19.2%です。あわせて7割の人が在宅医療を希望されているのです。しかし、実際には自宅で最期を迎える人は1割しかいません。自宅で最期まで生活したい、在宅医療を希望されているのに最後まで療養することができないのはなぜでしょうか

自宅で最期まで療養することができない理由では、往診医がいない、訪問看護、介護が整っていない、急変時の対応に不安があるなど医療体制が整っていないことが理由として大きいようです。しかし、在宅医療の体制を整えることでこの問題解決はできます。つまり、今後、在宅医療を充実させていくことができれば、安心して自宅で最後まで療養することが可能となるのです。そして、看取り難民の問題も同時に解決できると思います。

高齢化が急速に進むことに伴い、在宅看取りも含め、通院困難な患者さんが増えます。在宅医療へのニーズが高まっています。在宅医療の利用者数は右肩あがりに上昇傾向です。1900年代には6万人程度でしたが、現在は20万人を超えています。1996年調査と比べると、2.5倍近くに増えており、訪問診療を中心に在宅医療サービスを利用する患者数が増えていっています。

患者さんが求めている「24時間安心して受けられる在宅医療」を提供できるように、私たちは努力していく必要があります。

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