こんにちは。ホームドクターズです。今日は高血圧のお話です。高血圧は非常に多くの方が抱えている病気ですが、「症状がないから大丈夫」と思われている方も少なくありません。実際、外来でも在宅医療でも、高血圧の管理はとても重要なテーマのひとつです。
一般的には、診察室血圧ベースですと、
正常血圧 120/80 mmHg 未満
正常高値血圧 120〜129 / 80未満
高値血圧(いわゆる予備軍)130〜139 / 80〜89
高血圧 140/90以上 重症度に合わせてⅠ度〜Ⅲ度に別れます。
通院している間は定期的に血圧を測定し、医師がその場で調整することができますが、自宅療養になると、ご本人やご家族に管理を任せる部分が増えていきます。実際に訪問した際には、家庭血圧を見ることになりますが、上記の定義ー5程度でコントロールが推奨されています。
在宅医療では「日々の血圧をどう把握するか」が非常に重要になります。多くの場合、ご家庭に血圧計を用意していただき、朝と夕方など決まった時間に測定していただきます。そして、その記録を訪問時に確認し、薬の調整を行います。これまで外来通院されていた患者さんが、訪問診療に切り替わった際に、ご自宅では安心されて、非常にコントロールが良かった経験もありますし、逆に飲み忘れて、薬を増量してきていたことが判明するケースも多いです。訪問看護が定期的にバイタル測定されているのでその値も参照にしています。
ここで大切なのは、一回の数値ではなく「全体の流れ」を見ることです。例えば、ある日だけ血圧が高くても、それだけで薬を増やすとは限りません。逆に、徐々に高くなっている傾向があれば、生活環境や服薬状況も含めて見直しが必要になります。
また、高血圧の管理では「下げすぎ」にも注意が必要です。特に高齢の方では、血圧が低くなりすぎることでふらつきや転倒のリスクが高まります。在宅医療では、その方の生活状況や体力を見ながら、無理のない範囲でコントロールしていくことが大切です。ご高齢になると自律神経のバランスも悪くなりますし、神経難病の患者さんで血圧の変動が大きい患者さんもいらっしゃいます。
実際の診療では、食事内容や水分摂取、服薬のタイミングなども確認しながら、できるだけ生活に負担の少ない形で管理を続けていきます。例えば、「朝の薬を飲み忘れることが多い」という場合には、生活リズムに合わせて服用時間を調整することもあります。また、老年期医療としての考え方では、あまり厳格に高血圧をコントロールしないでいい場合もあると思っています。
高血圧はすぐに症状が出る病気ではありませんが、長期的には脳梗塞や心不全などにつながる可能性があります。そのため、今後どのように生活したいかをご本人やご家族と相談し、その後の余命など含め、総合的な評価と判断がとても重要です。
在宅医療では、通院が難しくなった方でも、こうした慢性疾患の管理を継続することができます。むしろ、ご自宅という生活の場で診ることで、その方に合った無理のない管理ができるというメリットもあります。
もしご家族の中に「最近通院が大変そう」「血圧の管理が不安」と感じている方がいらっしゃれば、一度在宅医療について相談してみるのも一つの方法です。日々の生活に寄り添いながら、無理なく続けられる医療を提供できるのが在宅医療の大きな特徴です。
福岡を中心に広範囲に訪問診療しております。訪問診療にお困りな患者さんがいらっしゃれば、いつでもご相談ください。