2026年の診療報酬改定では、在宅医療の役割がこれまで以上に重要視される方向が示されています。高齢化が進む日本では、病院だけで医療を完結することが難しくなっており、「できるだけ住み慣れた自宅や施設で医療を受けながら生活する」という流れが強くなっています。
そのため、今回の改定でも 訪問診療・在宅医療を担う医療機関の体制強化 が一つの大きなテーマになっています。
在宅医療を利用する患者さんやご家族、ケアマネジャーの方に関係するポイントをわかりやすく解説します。
在宅医療の重要性はますます高まっています。日本では高齢者人口の増加に伴い、通院が難しい患者さんが年々増えています。
認知症で外来通院が難しい、足腰が弱り付き添いが必要、退院後も医療管理が必要、がんや慢性疾患で自宅療養を希望
このような方に対して、医師が自宅や施設に定期的に訪問して診療を行うのが訪問診療(在宅医療)です。
政府としても、入院医療だけに頼らず、地域で患者さんを支える医療体制を整えることを重視しており、在宅医療の体制整備が診療報酬でも評価される流れになっています。
<在宅医療を支える医療機関の体制が重視される>
今回の改定では、在宅医療を行う医療機関に対して、「どれだけ地域の患者さんを支える体制があるか」 がより重要視されています。
例えば、24時間の連絡体制、夜間・緊急往診への対応、訪問看護との連携、病院との入院連携、多職種との連携といった体制が整っている医療機関が評価される仕組みです。これは、在宅療養中の患者さんが急に体調を崩したときでも、安心して相談できる医療体制を作るためです。
ご家族にとっても、「夜間に具合が悪くなったらどうしよう」、「入院が必要になったらどうなるのか」という不安は大きいものです。
在宅医療では、地域の医療機関・訪問看護・病院が連携することで、こうした不安を減らすことができます。
<退院後の在宅医療の重要性>
もう一つ重要なのが 退院後の在宅医療の役割 です。病院では治療が落ち着いた患者さんでも、医療的な管理が必要、通院が難しい、家族の介護負担が大きいという理由で、自宅での生活が不安になることがあります。
そのような場合、訪問診療が入ることで、定期的な医師の診察、お薬の調整、急変時の対応、訪問看護との連携などが可能になり、自宅で安心して生活を続けることができます。
そのため最近では、病院の地域連携室や医療ソーシャルワーカーから「退院後の訪問診療をお願いできますか?」という相談が増えています。
早めの相談が安心につながります。
訪問診療は、「状態がかなり悪くなってから始める医療」というイメージを持たれることがあります。しかし実際には、通院が少し大変になってきた、家族の付き添いが負担になってきた、退院後の医療が不安といった 少し早い段階から導入することで、生活が安定するケース が多くあります。
ご本人だけでなく、ご家族やケアマネジャーの方、病院の地域連携室などからの相談も可能です。
在宅医療は地域で支える医療です。在宅医療は、医師だけで成り立つものではありません。訪問看護、薬局(訪問薬剤管理)、ケアマネジャー、ヘルパー、デイサービス、病院など、多くの専門職が連携して患者さんを支えています。
住み慣れた自宅や施設で安心して生活を続けるために、在宅医療はこれからますます重要になる医療です。
通院が難しくなってきたとき、退院後の生活に不安があるときは、早めに在宅医療・訪問診療について相談することをおすすめします。
当院でも、患者さんご本人、ご家族、ケアマネジャー、医療機関からのご相談を受け付けています。
在宅医療について気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。