訪問診療の対象になる患者さんとは? | 福岡の在宅医療・訪問診療「クリニック・ホームドクターズ」総合内科・糖尿病内科・消化器内科

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訪問診療の対象になる患者さんとは?

訪問診療について相談を受けるとき、ご家族やケアマネジャーの方から一番多く聞かれる質問の一つが「どんな人が訪問診療の対象になるのですか?」というものです。訪問診療という言葉は聞いたことがあっても、実際にどのような患者さんが利用できるのかは意外と知られていません。

訪問診療とは、通院が難しくなった患者さんの自宅や施設に医師が定期的に訪問して診療を行う医療サービスです。単に往診のように具合が悪くなったときだけ医師が来るのではなく、あらかじめ計画を立てて定期的に訪問する形です。多くの場合は月に二回程度の訪問を基本として、状態に応じて診療を続けていきます。病状の安定しない時は毎週、数日おきに行くこともありますね。

では、どのような患者さんが訪問診療の対象になるのでしょうか。

まず一番多いのは、高齢で通院が難しくなった患者さんです。足腰が弱くなり、病院までの移動が負担になるケースは非常に多くあります。家族が付き添って通院するのが難しい場合や、車椅子での移動が必要な場合なども訪問診療が検討されます。実際の現場では「通院が大変になってきた」という理由で相談が始まることが少なくありません。病院ですと通院すると半日、いや1日かかることも珍しくありませんよね。体調良くないのに1日病院で待つと余計に悪くなりそうです。

次に多いのが、認知症の患者さんです。認知症が進行すると、病院に行くこと自体が大きな負担になることがあります。診察室の環境に慣れず落ち着かなくなったり、外出自体が難しくなったりすることもあります。そうした場合、自宅で診察を受けられる訪問診療は患者さんにとってもご家族にとっても安心できる医療になります。認知症で病院受診を忘れてしまい、通院困難になり、大病になって救急搬送されている患者さんも多くいらっしゃいます。事前に訪問診療で病状悪化前に介入しましょう。

また、慢性的な病気を抱えている患者さんも訪問診療の対象になることがあります。例えば心不全、慢性呼吸不全、糖尿病、脳梗塞後遺症などの病気で長期的な医療管理が必要な場合です。定期的な診察や薬の調整を自宅で受けることで、無理な通院を続ける必要がなくなります。心不全は悪化を繰り返しやすいので、生活習慣の見直しを行い、わずかな悪化あれば、すぐに治療介入を行います。糖尿病も血糖を見ながら早めにインスリンや内服コントロールを行います。

さらに、がんの患者さんの在宅療養でも訪問診療は大きな役割を果たします。病院での治療を終えて自宅で療養する場合や、在宅で緩和ケアを受けたい場合などです。自宅で過ごす時間を大切にしたいと考える患者さんやご家族にとって、訪問診療は重要な選択肢になります。残された時間を有意義に、様々な悩みに私たちは優しく寄り添います。

実際の訪問診療の現場では「もう通院は難しいかもしれない」と感じたタイミングで相談が来ることが多い印象があります。ご家族が通院の付き添いに疲れてしまっていたり、患者さん自身が外出を嫌がるようになっていたりと、さまざまなきっかけがあります。

訪問診療は「寝たきりの人だけが受ける医療」と思われていることもありますが、実際にはそうではありません。歩ける方でも、通院が大きな負担になっている場合には訪問診療の対象になることがあります。大切なのは、患者さんが安全に医療を受けられる環境を整えることです。

また、自宅だけでなく高齢者施設でも訪問診療を受けることができます。有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、グループホームなどで生活している方も対象になります。施設で生活しながら医師の定期的な診療を受けることで、体調管理を続けることができます。

訪問診療を検討するタイミングは、ご家族だけで判断するのが難しいこともあります。そうしたときは、ケアマネジャーや病院のソーシャルワーカーに相談すると在宅医療の情報を教えてもらえることがあります。地域の訪問診療クリニックに直接相談することも可能です。

 

在宅医療は、患者さんが住み慣れた環境で安心して生活を続けるための医療です。通院が難しくなってきたと感じたときには、一度訪問診療という選択肢を考えてみるのもよいかもしれません。医療の形は一つではなく、患者さんやご家族の状況に合わせて選ぶことが大切だと感じています。いつでもご相談ください。